同時熱分析

STA 509Jupiter Supreme

最高のパフォーマンスを実現する楽器

ハイライト

優れた性能と最先端の技術

長期安定性を備えた高分解能天秤

シリーズ最上位の Supreme バージョンはすぐれた分解能に上部積載型天秤の利便性をシームレスに統合した高性能 STA です。25 ng という極めて精度の高い天秤分解能を長期にわたって維持し、ハードウェアとソフトウェアの両方でもっとも厳しい基準を上回るように設計されています。Supreme は精度と信頼性が求められる最先端の研究開発分野で顕著に存在感を示すツールです。

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生産性と作業効率を向上させるユーザーインターフェース
デザインで生産性とワークフローが向上したSTA 509 Jupiter®は、タッチパネルディスプレイモニターから測定を開始することができます。LEDライトバーは、ライトの色がステータスに応じて変化するため、 PC にログインせずに離れたところから、測定が順調に進捗しているかどうかといったことや、次のような装置状態を確認できます。

この便利なデザインにより、ワークフローを合理的にしながら、常に最新の情報を得ることができます。

上部積載型天秤
上置き構造にデジタル補正を搭載した天秤は、取扱いが容易でありながら理想的な性能を達成します。守備範囲の広い TG-DSC 分析システムにガス分析システムを接続したいニーズに応えるベストな選択肢です。

雰囲気ガス制御
真空気密環境で雰囲気ガスの流量を細かく調整できるため、さまざまな種類の不活性 / 酸化性 / 還元性ガス、腐食性ガスを高純度で正確に取り扱うことができます。

 

高精度の正確性
ナノグラムレベル分解能の天秤に高性能熱流束 DSC を組み合わせ。ドリフトを極限まで低減し、さまざまな測定項目について広い温度範囲で大容量試料の高精度測定を可能にしています。

効率を最適化し持続可能性を追求
自動温度安定機能にEco Modeを組み合わせてエネルギーとガスの消費を最小限に抑えながら最大限の性能を発揮します。コストと加熱 / 冷却エネルギーを大幅に節約します。

豊富なアクセサリーと発生ガス分析への対応力
ガス蒸気発生装置や水蒸気発生装置を含む、種類豊富なアクセサリーを使用することで測定解析の可能性が広がります。 さらに、MS / FT-IR / GC-MS など発生ガス分析システムとのカップリングは装置のポテンシャルを飛躍的に向上させます。 

STA 509 Jupiter® シリーズ

STA 加熱炉を交換して使用できるので適応用途が多く、-150℃ ~ 2400℃という広い温度範囲をカバーします。上部積載型天秤は理想的な性能と使いやすさを提供し、フレキシブルな分析システムと進化したガス分析に最適です。真空気密環境で雰囲気ガスの流量を細かく調整できるため、さまざまな種類の不活性 / 酸化性 / 還元性ガス、腐食性ガスを高純度で正確に取り扱うことができます。

ガス蒸気発生装置や水蒸気発生装置を含む、種類豊富なアクセサリーを使用することで測定解析の可能性が広がります。 さらに、MS / FT-IR / GC-MS など発生ガス分析システムとのカップリングは装置のポテンシャルを飛躍的に向上させます。 

  • STA 509Jupiter Classic

    最高の価格/性能比

    • RT~1600
    • SiC炉
    • 天びんの分解能 0.1 μg
    • オプション20ポジションASC
  • STA 509Jupiter Select

    ニーズに合わせてカスタマイズ

    • -150~2400°C
    • 12種類の炉から選択可能
    • 天秤の分解能 0.1 μg
    • オプションの20ポジションASCまたは第2加熱炉

当社の品質保証

NETZSCHの保証について

NETZSCHの品質へのこだわりは、装置そのものにとどまりません。先進技術への投資は長期にわたるものであることを理解しているからこその保証サービスを提供しています。

方法

同時熱分析

同時熱分析は、ある 1 つの試料について、熱重量測定(TGA)と示差走査熱量測定(DSC)を 1  台の装置で同時におこなう技術です。次のような測定条件を TGA と DSCでまったく同じにして一度に測定できるところが大きな利点です。

TGAは、材料を加熱または冷却したときの重量変化を測定し、分解温度、含水率、熱安定性に関する情報を提供する。DSCは試料の温度を上昇させるのに必要な熱量を測定し、相転移、熱容量、反応エンタルピーに関する知見を提供します。

STAは、試料の重量変化と熱流量を同時に記録することで、これら2つの測定方法を組み合わせたものです。少量の試料を特殊な容器に入れ、加熱または冷却をします。装置は、重量変化と試料が吸収または放出した熱の両方を記録することで、材料の熱特性や組成に関する詳細なデータが得られ、効率的なため時間と試料を節約できるため、特に有用なソリューションとなります。

STAは品質管理、研究開発、故障解析などに使用されており、異なる温度条件下でのポリマー、医薬品、食品、その他の材料の挙動を研究するために不可欠です。現在では研究者やエンジニアにとってかけがえのないツールとなっています。

測定原理

同時熱分析の仕組みは以下の通りです:

  1. 試料の準備: 少量の試料を特別な試料容器に入れます。
  2. 加熱/冷却: 試料を一定の速度で加熱または冷却する。
  3. 測定: 温度が変化すると、STA装置が下記を記録します。
    1. 重量変化: 試料の重量の増減が起こります。
    2. 熱の流れ: 試料がどれだけ熱を吸収または放出したかが測定されます。

技術仕様

温度範囲
-150°C ~ 2000°C
天秤の仕様
最大積載量 5 g / 天秤分解能 0.025 μg
DSCエンタルピー精度
1%  (インジウム)

同時熱分析の多様なニーズに応える装置ラインナップ:

  • 昇温速度: 0.001 ~ 50 K/min
  • 温度分解能: 0.001 K
  • 試料ホルダー: TGA, TGA-DTA, TGA-DSC
  • 20 試料対応 ASC /  加熱炉追加(オプション)

用途に応じて加熱炉を選択

本装置は加熱炉を交換して使用できるので適応用途が多く、-150℃ ~ 2400℃という広い温度範囲をカバーします。加熱炉を支えるホイスト機構が二重化されているため、 1 台の装置に加熱炉 2 台を同時に取り付けて試料処理量を増やしたり、低温測定と高温測定の両方に対応したりできます。加熱炉はユーザー側で簡単に取り替えられるため、新たな用途にもすぐに対応できます。

特殊用途対応: 湿度100%までの高湿雰囲気測定

銅炉と水蒸気炉は高湿雰囲気測定に対応しています。どちらのシステムにも水分の凝縮を防ぐ補助ヒーターを搭載し、雰囲気湿度が 100% に達するような高露点条件下でも信頼度の高い性能を発揮します。銅炉は室温以下でも長時間にわたって温度を正確に制御できる冷却システムを装備し、水蒸気炉は 1250℃までの広い温度範囲で使用できるため高温用途に適しています。

グローブボックス/ホットセル構成
 

敏感な物質などの物質を取り扱う場合は、オペレーターの安全を確保して環境への暴露を防ぐ措置を講じる必要があります。NETZSCHでは機器の取り扱い制限など、物質固有の要件を満たすように設計された専用のグローブボックス / ホットセル 追加構成バージョンを提供しています。 これらの専用ソリューションは、シームレスな分析を可能にすると同時に安全性を最優先しており、危険物や繊細な物質を扱う際に安全性を提供します。

Eco Mode – 熱分析の持続可能性を追求

エネルギーとコストを70%削減 – 外部からの温度制御が不要

熱重量測定で正確な結果を得るにはドリフト挙動を抑える必要があり、冷却水循環を用いた温度制御が広く使われてきましたが、このようなサーモスタットを連続作動させるには多くのエネルギー消費を要するうえに、発生した余分な熱をエアコンで調節しなければならないという問題も存在していました。  

そこで NETZSCH は外部温度制御装置を省略し、安定性と正確性を維持しながら装置温度をデジタルで制御する技術を実現させました。サーモスタットの廃止によって平均的な稼働ではエネルギーの消費量を約 70%* 削減し、 年間を通じて 5,000 KW/h の電力を節約できるようになっています。さらに費用を削減する対策として、不要なときはガスフローを停止するEco Modeも導入しました。これらの技術により装置のランニングコストを下げ、二酸化炭素の排出量を低減させることに成功しました。

予測的なメンテナンス、長期耐用部品の提供、製品寿命保証など、将来にわたって持続可能性を高めるサービスも充実しています。

熱分析+水素(H2)

持続可能な行動や環境問題対策のグリーンテクノロジーにおいて、水素活用のポテンシャルが注目を集めています。環境負荷を大幅に低減する、地球にやさしいソリューション開発のために、水素と材料の相互作用に関する研究の重要性が高まっています。たとえば、鉄鉱石還元などの冶金プロセスでは二酸化炭素が大量に排出されますが、水素の活用により排出量の大幅な削減が可能になるなど、顕著な成果が出始めています。

NETZSCHの「H2セキュア」は濃度を変化させた水素を用いる環境で最大限の安全性を確保しながら測定試験を実施するための安全対策コンセプトです。

システムには包括的な安全プロトコルが搭載されており、複雑な酸化-還元サイクルをシームレスに再現してさまざまな測定条件で試料の正確な挙動分析や反応速度論解析をフレキシブルに実行します。

  • 素ガス量を限定:水素は加熱炉の上部から導入され、天秤上部の専用スペース内に密閉されます。天秤には常に保護ガスがパージされます。
  • H₂ / O₂モニタリング:H₂ / O₂ ガスの濃度を継続的に測定して取扱い時の安全性を確保します。
  • H₂セキュアボックス:通信コントロールボックスで濃度情報を受信し、上限設定に応じてガスフローのオン/ オフを切り替えます。
  • 停電対策:停電時には磁気弁が開いて不活性ガスを放出し、システムから水素を除去します。

発生ガス分析(EGA) 

STA 509 Jupiter®®は FT-IR(フーリエ変換赤外分光計)、MS(質量分析計)、GC-MS(ガスクロマトグラフィー質量分析計)などの発生ガス分析装置とのカップリングが可能です。発生ガスの性質に関する情報を時間または温度の関数として求めることができ、試料物質固有のスペクトルデータを得られます。

共同開発パートナーである Bruker Optics 社の FT-IR(フーリエ変換赤外分光計)を組み込んだ包括的カップリングシステムは「それぞれの合計を超えるものを(”More than just the sum of its parts”)」というスローガンを掲げています。TGA のガスパージから発生した揮発ガス成分は短経路の加熱トランスファーを通じて  FT-IR の真空気密セルに導入されます。双極子モーメントが変化するすべての発生ガスはこの吸光スペクトルで特定され、複雑な混合気体は分光的に分離されます。

NETZSCHは、これらの高度なEGA技術を当社の熱分析装置とカップリングすることで、研究開発のニーズに対応した包括的で正確なデータを確実に提供します。当社の革新と品質への取り組みは、当社の装置がお客様の最大の期待に応えることを保証します。

さらに多くの機能をご覧ください:

NETZSCHのサービス

NETZSCH Analyzing & Testingでは、お客様の熱分析装置の最適な性能と寿命を確保するための包括的なサービスを世界各地で提供しています。

長年の専門知識と技術革新を、お客様のニーズに合わせたソリューションで、装置の潜在能力を最大限に引き出します。

ソフトウェア

STA 509 Jupiter® with ProteusSTA 509 Jupiter®®  + 高機能ソフトウェア Proteus®® 

AutoEvaluation – 測定結果データを客観的にすばやく評価

AutoEvaluation (自動評価)は市販の TGA / DSC 装置で最初に導入された自律型評価システムです。ユーザーの入力を必要とせず、大幅な質量変化、吸熱反応、発熱反応を評価して自動的に DTG 曲線を生成し、ピーク温度を識別します。リアルタイムで測定を評価してグラフを表示し、検出設定と結果表示はカスタマイズすることができます。分析時間を短縮しつつデータの客観性を提示する AutoEvaluation は、経験の少ないユーザーにも豊富な専門知識を持つユーザーにもメリットをもたらします。

下の図は硫酸銅五水和物(CuSo4・5H2O)の熱分解測定結果を自動評価したグラフです。300℃以下で結晶水(H2O)の放出開始、550℃~800℃で硫酸銅(CuSo4) の分解、800℃ 以上で酸化銅(CuO)→  酸化銅(II)(Cu2O) の還元が起きることがわかります。

Identify – 材料の同定および品質管理のためのデータベース

Identify は測定データをデータベースに照合して、試料物質の識別と分類をおこなうことのできる当社オリジナルのソフトウェアツールです。標準搭載のデータベースライブラリーには、さまざまな分野で応用されている高分子化合物、有機物、医薬品、食品、化粧品、無機物、セラミックス、金属、合金などについて、約 1300 項目のデータが格納されています。 現在は DSC、DSC-Specific Heat Capacity (cp) - 比熱容量(Cp)熱容量は材料固有の物理量であり、試験片に供給される熱量をその結果生じる温度上昇で割ったものである。比熱容量は、試料の単位質量に関連している。cp、TGA、TGA-c-DTA® ®、STA、DIL、TMA、DMA に対応しています。必要に応じてユーザー独自のデータを数量制限なく追加してデータベースを拡張することもできます。エントリーと測定条件を追加しておくと新たな測定試験も円滑に準備できるようになり非常に便利です。

Identifyでは同定処理時に TGAとDSC / c-DTA® ®など 2 種類の測定データを同時に読みこめるというすぐれた機能があります¹。上の図は Identify を用いた未知物質の同定解析例です。500 ℃ までの TGA-DSC 測定結果はデータベース内の石膏二水和物(二水石膏、CaSO4 · 2H2O)のデータと非常によく似ており、575 ℃で検出された DSC ピークは該当する温度範囲における石英の α → β 転移のデータ、600 ℃ 以上の TGA-DSC 測定結果は炭酸カルシウムの分解のデータによく一致していることが示されました。したがって未知物質は二水石膏、石英、炭酸カルシウムで構成されていることがわかります。  

LabV®®️-primed

LabV®®️は分析装置からデータを取り込みます: すべての測定データを安全なデータベースソリューションであるLabV®®️ソフトウェアに自動的に取り込みます。これにより、LabV®®️でデータを可視化し、検索可能にすることができます。データはどこからでもアクセスできるようになり、レポートを作成することもできます。

その他のソフトウェア機能

関連装置

  • STA 509Jupiter Classic

    最高の価格/性能比

    • RT~1600
    • SiC炉
    • 天びんの分解能 0.1 μg
    • オプション20ポジションASC
  • STA 509Jupiter Select

    ニーズに合わせてカスタマイズ

    • -150~2400°C
    • 12種類の炉から選択可能
    • 天秤の分解能 0.1 μg
    • オプションの20ポジションASCまたは第2加熱炉
  • STA 2500Regulus

    高い信頼性と充実した装備のコスト削減装置パッケージ

    • RT~1600°C
    • 温度精度:0.3K

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