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Oxidative-Induction Time / Oxidative-Onset Temperature
酸化誘導時間 (OIT) / 酸化開始温度 (OOT)

酸化誘導時間(等温OIT)は、(安定な)物質の酸化的分解に対する耐性の相対的な指標で、大気圧下の酸素または空気雰囲気に一定温度でさらされた物質の熱量変化を測定して酸化発熱が開始した時間を決定します。 

酸化誘導温度(動的OIT)または酸化開始温度(OOT)もまた、安定物質の酸化的分解に対する抵抗力の相対的な指標で、大気圧下の酸素または空気雰囲気で一定の昇温速度により加熱した物質の熱量変化を測定して酸化発熱開始時の温度を決定します。

酸化誘導時間はDSC 測定で求められます。まず不活性ガス雰囲気(窒素)下で試料と基準物質を一定速度で昇温します。所定の温度に到達したら、雰囲気を同じ流量の酸素または空気に置換し、酸化反応が DSC熱流曲線の発熱ピークとして示されるまで試料を一定温度に保持します。酸素または空気の流入を開始してから酸化反応が始まるまでの時間が酸化誘導時間(等温OIT)です。この評価手法は DIN EN ISO 11357-6などの多くの技術規格に記載されています。

図1: PE-HD の酸化誘導時間(等温OIT)測定

酸化誘導温度(動的OIT)も DSC 測定で求められます。ここでは酸素または空気雰囲気下で試料と基準物質を一定昇温速度で加熱し、酸化温度が DSCカーブの発熱挙動が明確に確認できるまで昇温します。酸化反応が始まる温度が酸化誘導温度(動的OIT)です。温度を動的に制御するため、測定中にDSC熱流曲線のピークが発熱方向に急激に増加することで酸化の始まりを示すパターンが多くなります。

図2: PE-HD の酸化誘導温度(動的OIT)測定

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